小さい頃から食べ慣れている鹿児島の醤油。
子供の頃は、甘いなんて思ったこともなかったですが、
県外の親戚から「鹿児島の醤油は甘いよね」と言われたり、
自分が大人になってあちこち旅するようになって、県外の醤油は
辛いと感じることが度々ありました。
鹿児島の醤油ってなんで甘いんだろう?
食文化だけなのか?他に要因があるのか?
そんな疑問にお答え頂ける方をお招きし、かごしまホンモノの食研究会で勉強会。
講師は、鹿児島県醤油醸造共同組合の日高工場長です。
隼人にあります。とても広大な土地。
こんな場所です。
先月、ご挨拶に伺った時に撮った写真です。
一歩入ると、麹のいい香りが漂っています。
鹿児島の醤油のほとんどは、ここで生揚醤油(きあげしょうゆ)が作られて、それを各メーカーに送り、
それぞれオリジナルに味をプラスして販売されているそうです。
生揚醤油とは、大豆・塩・小麦のみで作った、純粋な生の醤油。
生の醤油は、発酵するので常温保存できません。
そのまま置いておくと、蓋がポンと飛ぶそうです。
なので、生揚醤油は冷蔵保存が鉄則!
今回は、特別に生揚醤油も味見させてもらいました。
薄口・濃口・再仕込みの3種類。
とてもスッキリしていて、甘くない!!
鹿児島の醤油は、もとは甘くないんですね。
昔は醤油も味噌も家庭で作るもの。保存を良くするために塩分が高く、うま味成分などは入っていない、純粋なものでした。
鹿児島の食文化は、暑さの厳しい土地柄、甘辛い味を好みます。そこで、醤油も甘く変化していったという説。
昔は贅沢の象徴だった、砂糖が手に入りやすくなった頃から甘口の醤油が作られるようになったという説。
焼酎と相性がいい醤油の開発をしたという説。
他県との差別化を図るために甘くしたというマーケット戦略説。
などなど、甘くなった背景にはいろいろありますが、
甘い醤油が流通し始めたのは60年前というから驚き!!
意外と歴史が浅いんですね。
同じように、だし入り醤油や白だしも食文化を象徴するように開発されたんだとか。
昔は、だしをとって、淡口醬油や塩で味付けしていたものが、今は白だしで代用できたりしますよね。
ちなみに白だしの歴史は20年ほどだそうです。
確かに、私が子供の頃はなかった気がします。
醤油って奥が深い!!
1時間みっちり教えて頂きましたが、まだまだ聞き足りないくらいでした。
でも、長年の疑問が解消されて、頭がスッキリしました。
日高工場長ありがとうございました!