第2期 鹿児島フードコーディネーターカレッジ 4回目

2018年07月14日

鹿児島フードコーディネーターカレッジでは、鹿児島の隠れた食材や生産者さんの思いを学んで頂くために食材ツアーを行なっています。

今年もエフプランニングさんにアテンドをお願いして、南さつま市へ。

写真でたっぷりご紹介します!

まずは、きんかんの生産加工を行なっている清木場果樹園さんへ。

3代続く清木場さんは、果樹園できんかんを育てながら、廃校になった小学校で加工を行なっています。

シンプルな材料で作ったコンポートはとても上品な味。

いくつもいけそうな美味しさです。

ずらりと並んだ瓶詰めが、商品の人気を物語っています。

ここは、低学年の複式学級だった教室。

加工室も同じく、一昨年までは教室として使われていた場所です。

もちろん青果としても販売しているきんかん。

南さつまでは春姫というブランドきんかんがあるのですが、清木場さんは黄金丸という名をつけて商標登録もされ、青果のブランディングにも取り組んでいます。

ひとつひとつ、こだわりを持って丁寧に商品づくりされている姿が印象的でした。

 

清木場果樹園さんから徒歩5分。

本坊酒造さんのマルス津貫蒸留所へ。

ウィスキーづくりの現場を見学させていただきました。

日本の技術で完成した銅製の蒸留器。

とっても風格があって、かっこよかったです。

ジンの材料であるジュニパーベリーと大麦。

ジュニパーベリーは噛むと苦味がピリッと残って、薬膳的な味でした。

細かい気遣いの積み重ねでウィスキーができることを学び、皆さん興味津々。

部屋を進むごとに、香りも変わります。

この樽貯蔵庫は、完成形に近い匂い。

素敵な雰囲気でした。

ウィスキー見学が終わったら、ランチをいただきに隣の旧邸「寶常」へ。

素敵な御重がお出迎え。

和懐 おお田さん謹製の、とても細やかな和食膳をいただきました。

蓋を開けた時の歓声がすごかった!

この他に順菜たっぷりのお吸い物も。

どのお料理もとても美味しかったです。

お口直しのシャーベット代わりに和美人(ジン)

オリジナルのグラスもかっこよすぎて。惚れ惚れしました。

食事が終わったら、少し自由時間。

気になるウィスキーを試飲したり。

 

お買い物を楽しんだり。

まだまだ長居したい雰囲気でしたが、午後の部へ。

午後は、あわびの学校へ。

こちらも廃校になった小学校を利用して、アワビの養殖を行なっています。

稚貝は岩手・秋田から。海水は坊津から。

綺麗な海水をたっぷり入れて、餌はワカメなど。

みんなであわびの餌やり体験にチャレンジ。

ワカメを近づけると、口がモゾモゾ動き出し、ワカメを吸い込むように食べます。

体験が終わったら試食。

キラキラの綺麗なお刺身。柔らかくて優しい旨味。

天然とは違って、ゆっくり過ごして大きくなるので身質が柔らかいとのことでした。

加工品も完成していて、薩摩あわびというブランド名でこれから売り出していく予定です。

他にも体験プログラムがいっぱいあります。NPOエコ・リンク・アソシエーションさんのページをご覧ください。

 

続いて、お醤油の老舗である丁子屋さんへ。

素敵な石蔵から案内していただきました。

なんと!登録有形文化財。

ラベルも素敵です。この「丁」のデザインは印象的ですよね。

お醤油の他に、めんつゆやポン酢などいろいろな商品があります。

どれもお料理上手になれる味です。

石蔵では、コンサートや絵画などイベントも計画中だそうです。

町のコミュニティとしての利用を願っているとのことでした。

 

最後は、長命草を育てている六田農園さん。​

長命草は初めて食べるという方がほとんどで、皆さん葉をちぎって味見をし、苦味にびっくりしてました。

でも意外と美味しい部分も発見して、新しい調理法も検討できそうな予感。いろんな方が関わるといろんな知恵が出るなーと感心しました。

今年のツアーはこれで終了!

 

◆アンケートよりご紹介。

・まさか校舎でアワビの養殖がされているとは予想もつかない発想でびっくりしました。食べて欲しい、広めたい、愛情もたくさん伝わってきました。

・母が長命草パウダーを飲んでいて親近感を持っていたので、六田農園さんが印象に残りました。生の状態を畑で見て、味わって、健康効果へのデータが増えたら、高くても食卓に取り入れたい人が増えると思いました。

・本坊さんは、海外についてもマーケティングしていてすごいなーと思いました。清木場さんのコンポートは、きんかんが苦手な私にも美味しかったです。

・どこもよかったですが本坊さんが一番心に残りました。日本のウィスキー生産のレベルの高さを知ることができました。各企業の努力を学びとても勉強になりました。

・ジンがとても味わい深く、パッケージが薩摩ボタンだったのでびっくりしました。食材ツアーはやっぱり楽しいです。

・六田農園さんと清木場さんが印象的でした。新しいことにチャレンジすることはエネルギーがいることだと思いますが、それぞれの思い入れや志を聞くことができてパワーをもらいました。

・廃校活用が学校系しか知らなかったため、養殖場や加工場としても使えるのかと視野が広がった

・本坊酒造さんの歴史・地域性・人材など多様な価値を活かしていく展開は興味深かったです。

・丁子屋さんの画廊やコンサート開催の取り組みや庭園に憩いを感じることができました。

・本坊酒造さんでのランチはタイムスリップした感覚を味わうことができました。

・鹿児島の地方の面白さにはまりそうです。いろんな人との出会い。お酒を一緒にメンバーと飲めたこと。とてもいい企画に感謝します。「食とストーリー」本当に面白いですね。幸せな気持ちになりました。

・アワビを間近で見る。餌をあげる初体験が心に残りました。ウィスキーの奥深さを知ることができました。

・鹿児島とウィスキーが結びつかなかったのですが、説明を伺って自然と時間の力で味が変わることがとても興味深かったです。

 

今回は第1期生のOB参加も多く、とても賑やかなツアーになりました。

快く見学を受け入れてくださった、清木場果樹園さん、本坊酒造さん、エコ・リンク・アソシエーションさん、丁子屋さん、六田農園さん、そしてアテンドをしてくださった、エフ・プランニングさん、南洲交通さん。

本当にありがとうございました!

また来年も鹿児島のどこかへ、食と学びの旅へ出かけられたらと思っています。

 

次回は最終回。

商品開発・パッケージ・商標登録について学びます。講師も最多数の回です。受講生の皆さん、お楽しみに(^^)

杉水流 直子 / 日本フードコーディネーター協会認定 1級フードコーディネーター / 株式会社 Table of Smile 代表取締役

杉水流 直子 Naoko Sugizuru

日本フードコーディネーター協会認定
1級フードコーディネーター
株式会社 Table of Smile 代表取締役

鹿児島市出身。鹿児島純心女子短期大学食物栄養専攻を卒業後、甑島で3年、鹿児島市で2年、学校栄養士として食育と栄養管理に携わる。

株式会社寿福産業にて8年間、フードコーディネーターとして、メニュー監修や撮影スタイリング、店舗コーディネート、販売促進などを担当。