第3期 鹿児島フードコーディネーターカレッジ 4回目

2019年07月06日

鹿児島フードコーディネーターカレッジのお楽しみ♬ 食材ツアーに行ってきました。

鹿児島は連日の大雨であちこち土砂崩れもあり、道路状況など少し心配でしたので、出発時間を早めて、各訪問先の滞在時間を10分ずつ短縮しての開催となりました。

アテンドは、e-fプランニングの2級フードコーディネーターである佐伯さんです☆

今年は、枕崎市・南九州市へ。

まず初めに、松野下蒲鉾さんへ伺いました。

地元で魚屋としてスタートした松野下さん。時代に合わせて、だんだんさつま揚げを作るようになり、今では主力商品に。さつま揚げの他にも蒲鉾やカニカマ、ちくわなど幅広い練り製品を造っています。

なんと!工場の中でさつま揚げ作り体験をさせてもらいました。

白身のすり身に好みで具材を混ぜて好みの形に。大小様々、個性的なさつま揚げもできました。

棒天の作り方も体験させてもらいました。均等の厚さに伸ばしたすり身を、少しとってくるっと返しながら揚げ油へ。これがとっても楽しかったです。

できたてアツアツの棒天やホクホクのカニカマを味見させていただいて、美味しさに感動!!

工場でしか味わえない美味しさでした。

会社の経営方針として、社長から「お客様を笑顔にするために妥協しない。そして自分たちも笑顔になれるような商品を目指している」とお話を聞かせていただき、さつま揚げのこだわりや商品展開のやり方など、皆さんの質問に丁寧にお答えいただき勉強になりました。

続いて、枕崎といえばやはり鰹節は外せないと、かねは揚村鰹節商店さんへ。

代々大切に使われている工場で、色合いと香りがなんともいえない歴史感を感じました。

鰹節製造の朝は早いので、作業は落ち着いている時間帯でしたが、鰹節の作り方についてお話を聞かせていただきました。

ここでは約200匹。1トンのカツオを1日に加工していくそう。

実際にカツオを捌くために使っている包丁や、

燻製の部屋も見せていただきました。カシやサクラで燻すそうで、いい香りが充満していました。

戸を閉めるとこんな感じ。カレンダーと戸の色合いがいいよねーと、思わずパシャり。

荒節と本枯節を見せていただきました。製造に約3ヶ月かかる本枯節。

触り心地も水分含有量も全く違います。

カツオの背側が雄節と呼ばれ、スッキリしただし。

腹側が雌節と呼ばれて、脂身のためコクがある出しになるそう。

天気のいい日は外に干して天日干しをするそうです。鰹節も奥が深いです。

お楽しみのランチは魚処まんぼうさんへ。

「枕崎!特上カツオ丼」をみんなで食べました。

カツオのタタキ・カツオの刺身・腹皮の炙り・鰹節・カツオの角煮・手作りカツオふりかけなど、カツオのいろんな味わいがトッピングされていて、とっても美味しいんです!

特にタタキは藁焼きなので、噛むと口の中にふんわり香ばしさが広がります。

腹皮の炙りも産地ならでは!鮮度がよくないと楽しめない部位なので貴重な味体験でした。

店内もリニューアルされたばかりで、とても居心地よく過ごせました。

食後には枕崎の和紅茶もいただきました!みんなもちろん完食!!

お腹いっぱいになった後は、かつ市さんへ。

なぜ、鰹節を使った商品を増やしてきたのか。

​中原社長が考える商品ラインナップのバランス・商品開発の流れ・商品の規格などについて惜しみなくお話いただき、とても勉強になりました。

かつ市さんの棚には中原社長が自ら作り上げた商品がズラリ!

鰹節や茶節・黒酢ジュレ・黄金だしなどを味見させていただきました。

優しくて奥深いだしの旨味に、うなる人続出でした!!

「産地だからこそ味にこだわり、基本の良さも伝えないといけない」と、中原社長。

時代に合わせた商品開発と、時代を伝承する商品販売の大切さを学びました。

次に、大野岳の麓で多品種のさつまいもを育てているせごどんファームさんへ。

さつまいもといえば秋が収穫のイメージですが、こちらは早堀りの「紅さつま」があるということで芋掘り体験をさせてもらいました。

土から掘り起こした芋は、綺麗な紅色。

早掘りはこの細い根っこがたくさんついてくるそうで、根っこの処理が大変とおっしゃってました。

紅さつまは早掘り用に育てても価値があるが、他の品種は収穫後に寝かせてから出荷する必要があるのであまり向かないとのこと。でも紅さつまも寝かせた方が美味しくなるそうです。

芋畑の向こうには枕崎を望むこの場所。スカッと晴れたら絶景なのは間違いなしです!

笑いの絶えない楽しい時間でした。

最後は知覧心茶堂さんへ。

年々、価格が下がっている緑茶を使って、和紅茶を作るお茶農家さんが増えているのですが

心茶堂さんも無農薬栽培の紅茶作りに力を入れているそうです。

この工場にある機械は全て紅茶用。

玉露の水出し、紅茶の水出し、を飲み比べさせていただきました。

お茶は入れる温度によって味が変わりますが、水出し玉露は苦味が全くなくて甘みと旨味のみ。寝る前に飲んだら心地よい睡眠をとれるそうです。

上品な美味しさでした。風味の良い紅茶を目指して色々工夫を重ねているそうです。

ここ数年で、美味しい和紅茶を気軽に楽しめるようになったのは、やはりお茶農家さんの努力があってこそ。ありがたいです☆

 

全ての行程を終了して帰路へ。

今回、5箇所訪問して感じたことは、どこも「人」が魅力的!ということ。

みなさんとてもイキイキとお仕事されていて、信念もしっかりあって、何を聞いても即座に答えてくださって、美味しいものを生み出す努力を楽しんでいるように感じました。

お忙しい中、快くご対応いただき、本当にありがとうございました!

 

 

◆アンケートよりご紹介

・盛りだくさんの内容でどこもそれぞれに参考になることがありました。全国に発信していくパワーを持った皆さんがいることに感動しました。

・至れり尽くせりでとても充実したツアーでした。ますます鹿児島の食への関心が高まりました。

・どこも楽しかったです。さつま揚げを作る工程も楽しかったです。鰹節の出汁のとり方をもう少し学びたかった。

・体験できるワークショップが1個でもあると楽しい&嬉しい。

・出汁はかつお節からとる一手間のうまさに感動しました

・せごどんファーム、元気な清子さんにお会いできて、育てている土地や環境を見れてよかったです

・今回、体験できるところが多かったので楽しかったです。中原さんの話を聞いて、私が人に伝えたいのはこういうことなのかと思いました。心茶堂さんの伝え方もすごくわかりやすくて勉強になりました。

・どの見学先もご苦労があり、研究や取り組みの尽力によって結果を出していく、たゆまぬ研究と努力によって発展させていらっしゃるのに感じ入った。

・個人ではなかなか見学できないところをたくさんご紹介くださり、とても学び深いそして楽しい1日でした!

・松野下蒲鉾の社長さんの経営方針の話に共感した。自分もそうしていきたいと思った。

・1箇所あたりをもっとじっくり回りたかった。

・東垂水さんの説明がとてもわかりやすく、紅茶についてよくわかりました。

・カツオ丼の味の変化が面白くて最後まで飽きずに食べれました。美味しかった!!!

・腹皮の美味しさに感動しました。器にもこだわっていて、枕崎愛を感じました。

 

たくさんの方のご協力で実施できた今回の食材ツアー。本当にありがとうございました!

来年はどこに伺おうか、みなさんのリクエストも考慮しながら検討したいと思います♬

次回は最終回。撮影スタイリングに挑戦します!お楽しみに。

杉水流 直子 / 日本フードコーディネーター協会認定 1級フードコーディネーター / 株式会社 Table of Smile 代表取締役

杉水流 直子 Naoko Sugizuru

日本フードコーディネーター協会認定
1級フードコーディネーター
株式会社 Table of Smile 代表取締役

鹿児島市出身。鹿児島純心女子短期大学食物栄養専攻を卒業後、甑島で3年、鹿児島市で2年、学校栄養士として食育と栄養管理に携わる。

株式会社寿福産業にて8年間、フードコーディネーターとして、メニュー監修や撮影スタイリング、店舗コーディネート、販売促進などを担当。