第3期 鹿児島フードコーディネーターカレッジ最終回(1)

2019年07月20日

「鹿児島フードコーディネーターカレッジ」最終回は、撮影スタイリングを実践しました!

座学だけではなかなか身につかない世界なので、実際にみなさんに商品開発をして頂いて、それを売り出すための写真を撮るというのが今日のテーマ。

商品開発のテーマ食材は「辺塚だいだい」です。

2回目のカレッジの時に、一人1リットルの果汁をお配りして、辺塚だいだいの歴史や栽培方法、現在販売されている商品展開などについてお話ししました。

情報とヒラメキをベースに、それぞれコンセプトや商品名を考えてきてもらいました。

ホワイトボードに貼っているのはそのコンセプトシートなどです。

時期的に今は果実がないので、果実はグリーンレモンやライムなどを代用してもらっています。

 

ディスプレイで確認しながら、一人一人コンセプトに合わせて撮影していきます。カメラマンはリアライズの中村さんにお願いしました。

カメラマンとのコミュニケーションもポイント。

どんな風に撮りたい写真を伝えるか、一緒に作品を作り上げる気持ちが大事です。

それでは順に、ご紹介しますね。

 

1.商 品 名:Bavarian cream with DeDe

  コンセプト:大隅半島を満喫できるお土産

まずは、受講生に自分でスタイリングしてプロに撮影してもらいます。

辺塚だいだいのババロアです。木のナチュラル感や箱が優しい雰囲気です。

そして、私の方で手直しを少し。

ババロアの商品が見えるように蓋を開けて辺塚だいだいに見立てたライムのスライスをトッピング。敷物の色数を抑えてシンプルにして商品を引き立たせます。
箱に入っている商品は、箱の底に敷物を入れて少し底上げしました。

視線を真ん中にストンと集められるように並べます。

こちらは、作ってきてくださった手作りのPOPも一緒に撮影したバージョン。お店の雰囲気が伝わってくるようです。

爽やかでとても美味しいババロアでした(^^)

 

 

2.商 品 名:陸の宝島からの香りの贈り物「オーガニック辺塚だいだいのシャーベット」

  コンセプト:辺塚だいだいの良い香りを火入れせず、そのまま活かしたシャーベット

まずは自分でスタイリング。白いクロスを生かして爽やかに撮りたいとのこと。パッケージもリボンをつけてイメージが完成していました。

海をイメージして、青い皿に並べています。

色の雰囲気は完成していますが、配置が少しバラバラに見えますね。

写真は、カメラの距離や位置によっても変わるので、自分目線だけではうまくいかないことがあります。

少し手直しさせてもらいました。

商品とお皿に盛り付けたシャーベットが離れていたので、距離をグッと近づけて後ろに置いていたグリーンを手前に持ってきました。

さらに手直し。敷皿の色を変えて、後ろに辺塚だいだいに見立てた青ライムを置いてみました。

色が入ることで、写真がキュッと引き締まり、シャーベットがより引き立ってきました。

 

 

3.商 品 名:辺塚の森の宝物「黄金蜂蜜(こがねはちみつ)」

  コンセプト:自然が育んだ心と身体に優しい贈り物

この方は、チラシに入れる2パターンの写真を撮りたいとのこと。

1つ目はメッセージボード入り。2つ目は、食卓イメージ。

まずメッセージボード入りをスタイリングしてもらいました。

優しいメッセージがほっこりした気持ちになります。

先ほどの写真でも悪くはないのですが、食卓イメージとの差別化をしたいのと、メッセージから汲み取れる商品への思いをもっと伝えられる写真にしたかったので、少し配置を変えました。

クロスで差し色をすることで、主役をハッキリさせて、より伝わりやすくしました。

食卓イメージの最初のスタイリング。

辺塚だいだいの黄金蜂蜜のパッケージも添えられています。

このグラスに入れて、お湯で溶いて飲んでねというストーリー。

もう少しシズル感を出すために、グラスに注ぎ、完熟の辺塚だいだいに見立てたレモンを入れました。マフィンはペーパーを外して、青いお皿に盛り、青果実に見立てたライムのスライスを飾り付け。

木のお盆がナチュラルで優しい食卓を演出しています。

 

 

4.商 品 名:極の酸味 辺塚だいだい万能ソース

  コンセプト:毎日の料理に活用できる辺塚だいだいの奥深い酸味を活かした万能ソース

サラダにも野菜炒めにもハンバーグにもオススメの万能ソース。

いろんな料理に使えることを伝えたいとスタイリングされていました。

どれもとても美味しそう。

少しだけ修正しました。サラダの野菜をこんもりと。トマトの皮を見せて整えて。野菜炒めもこんもりと、パプリカの綺麗なところを綺麗に盛り直し。

ハンバーグは辺塚だいだいに見立てたライムを内向きに変更。ソースをたっぷり倍増しました。

タレのボトルを奥に置いて、空いているところに辺塚だいだいに見立てたグリーンレモンを置きました。

横撮りから縦撮りに変更。お皿が大きく、ひとつひとつの料理にボリュームがあるので、奥行きをうまく使った方が料理が映えます。

最後は、サラダをもう少し整え直して。ランチョンマットを重みのある色合いのトレーニ変更し、ハンバーグの主役感をアップしました。

ハンバーグの添え野菜も整えて、茎を短く葉の表が見えるように修正してみました。大きなお皿は「く」の字に並べるとバランスがよくなります。

 

一人当たり10カットほど撮影。少しの変化で写真がグッとよくなるので歓声をあげながらお互いの商品と写真を見て学び合いました。
長くなったので、あと半分は次の記事でご紹介しますね(^^)

 

杉水流 直子 / 日本フードコーディネーター協会認定 1級フードコーディネーター / 株式会社 Table of Smile 代表取締役

杉水流 直子 Naoko Sugizuru

日本フードコーディネーター協会認定
1級フードコーディネーター
株式会社 Table of Smile 代表取締役

鹿児島市出身。鹿児島純心女子短期大学食物栄養専攻を卒業後、甑島で3年、鹿児島市で2年、学校栄養士として食育と栄養管理に携わる。

株式会社寿福産業にて8年間、フードコーディネーターとして、メニュー監修や撮影スタイリング、店舗コーディネート、販売促進などを担当。