初めての人同士でも、美味しい食べ物があれば、自然と会話が弾み、笑顔が広がります。
食には人の輪をつなぎ、笑顔を増やす不思議な力があります。
笑顔、花咲く食。
私の“Table of Smile”には、2つの原点があります。
忙しいときでもなるべく手料理を心掛けていた祖母と母は、食べることを大切にする人でした。祖母が作ってくれた団子や煮しめ、母のみそ汁。今、甘さ控えめのお菓子が好きだったり、朝食のみそ汁でほっとするのは、食の経験が私の体にしみ込んでいるからかもしれません。
最近、幼い息子が「ママ、このおだし、おいしいね〜」と笑顔で言ってくれます。私の料理を毎日食べる息子にも、食への思いが自然と引き継がれたら嬉しいです。
そして、もう一つが、栄養士として初めて赴任した甑島の小学校での日々。子どもたちが嫌いなものでも楽しく食べられるよう、工夫を凝らした3年間でした。「おいしかった〜! あしたの給食なぁに?」。子どもたちの言葉は今も私の宝物です。
地産「知」消
鹿児島で生まれ育ち、食の仕事に長く携わっている私でも、初めて出会う食材や隠れた魅力に触れる機会がまだまだあります。鹿児島で暮らすからこそ見えてくる食の魅力。自分の足元をあらためて見つめると、これまで身近すぎて語られなかったものの中にこそ、誇りにすべき宝物があることに気づきます。
食はまず「知る」ことから始まります。地産の食材について知って、消費すること。鹿児島は知っても知っても知り尽くせない食の魅力にあふれています。
「食」×「人」×「地域」をつなぐ
私が大切にしているのは、目に見える「食」だけではなく、目に見えない「想い」も一緒に育むこと。
長く愛される商品やメニューは、そこに関わる皆さんが仕事に自信や誇りを持ち、いきいきと働きながら、商品を愛し続けていくことによって育まれていきます。
主役は皆さんです。私はあくまでも食を通した伴走者として、皆さんの想いに最初から最後まで寄り添いながら、時には背中を押し、時には支えながら、未来への道筋を作るお手伝いができればと考えています。
「食」×「人」×「地域」をつなぐこと。それは鹿児島の食の未来へと続いていきます。子どもたちはもちろん、鹿児島に暮らす人が、地元の食を誇りに思えるように、『Table of Smile』はいろいろな角度から食の楽しさをご提案していきます。