7月に「かごしまホンモノの食研究会」で勉強した「鹿児島の醤油はなぜ甘い?」に続き、
講師の日高工場長にお願いして鹿児島の醤油の基である鹿児島県醤油醸造協同組合へ見学に行ってきました。
とってもキレイな青空でしたが、やはり11月。風が冷たくて寒かったです。
早速、中へ。
20年前の醤油ラベル一覧が飾ってありました。
デザインもレトロで意外と青が多いことにビックリ!
この醤油組合は、昭和45年に創立されていて、工場の外壁は当時のまま。
中の機械は平成元年に新しくしたそうですが、それでももう26年経っています。
それなのに、どこもピカピカに掃除が行き届いていて、まずそのことにビックリでした。
最初に見たのは、大豆を蒸す機械。何mあるんでしょう?
8〜10mくらいかな。このトンネルを3分半かけて通りながら蒸し上げるそうです。
すごい加熱力ですね。
こちらは、醤油に使う麹を作っているところです。
直径13mある広い円状の室内で、ゆっくりと全体が回転しています。
25℃から30℃をキープしています。
この中も毎日製造が終わったあとは掃除をするそう。
製造2〜3時間
掃除5〜6時間
材料の運搬から浸漬・蒸しなど、工程はほとんど機械化されていて、従業員は掃除と機械の点検などが主な仕事になるそうです。
この広ーい場所が醤油の仕込みや発酵・熟成を行っているところ。
ここで、初めて人に会いました!
撹拌しながら、だいたい濃口醤油で1年熟成するそうです。
深さは3m。落ちたら大変!と、写真撮るのも少し緊張気味(笑)
でも、醤油のいいにおいが立ち込めていて、日本の文化を誇りに思った瞬間でした。
仕込まれた醤油は圧搾に入ります。
階段を上って、上って、通常のビルの3階くらいでしょうか、上に行くと醤油色に染まった布がいっぱい!
この機械に少しずつ醤油が流し込まれて、布で包んで、また次の布を敷いて醤油を入れて、布で包んで・・・
の繰り返しで、自然の重さでまずは圧搾。
この時点で味見させてもらいました。味噌と醤油が混ざったようなもろみの濃い味。
すごく透き通った味で美味しかったです!
この布で重ねた醤油はこの白い容器の中へ。
下から見上げるとこんな感じです。
ひとつのタンクに900ℓ。1回当たり、350枚の布を使うそうです。
これに、重しをして圧搾していきます。
布は大きな業務用の洗濯機で洗っていました。
すごい量ですね〜
醤油を絞りきると、かすが出ます。このかすがだいたい1割。
9割は醤油なんですね〜。
もともと大豆と小麦で作っているので、かすは牛の餌などにひっぱりだこだそう。
捨てるところはないんですね。
醤油は和食にとって欠かせない調味料ですが、いろいろなつゆや時短調味料、洋食の普及などに伴い、
醤油の消費は年々減ってきているそう。
工場の稼働率も6割だそうです。
鹿児島では1本300円ほどですが、県外では100円台ということもあるのだとか!!ビックリしました。
こちらの醤油組合で作られた生醤油は、各醸造に送られ、そこで個々に味を調整し、オリジナルの醤油として売られているそうです。
醤油の基を作ることがとても大変な作業なんですね。
年間2500㎘生産するそうですが、従業員は事務員さんも入れてたったの12名。
とても広い敷地と膨大な機械があるのに、本当にビックリです。
昔ながらの製法を守る「天然醸造仕込み」
醤油組合がある県はいくつかあるそうですが、この天然醸造の方式でされているところは鹿児島だけだそうです。
天然醸造の生醤油もとても美味しいので、このままの味もぜひ流通して欲しいなと思わずにはいられません。
生醤油と混合醤油と選べるようになったら嬉しいですね。